「浜昼顔」
2018年6月号掲載 水彩31×41
ハマヒルガオの咲く頃に稲村ヶ崎をよく訪れる。何度かスケッチもしている。だが、今回は少し様子が違っていた。足元の砂が深くえぐられている。乾いた砂に根を張り、何とか命をつないでいた植物たちも波にさらわれたようだ。
残されたハマヒルガオとハマダイコンが花を咲かせていた。健気。いまできることを精一杯やっているのだ。こんなに立派に生きることは僕にはできないけれど、せめて絵の主役にして讃えようと思った。