鎌倉朝日連載「スケッチ日和」

  「桜」 水彩画 36×51cm

一色郵便局」  黒川 明

       2024年3月号掲載

  

 小町大路が滑川と交差するあたりに本覚寺はある。日出上人の創建で境内には夷堂や日蓮上人の分骨堂などもある。そんな境内でひときわ目を引くのがこの枝垂れ桜だ。昨年は3月22日に満開だった。本堂を背景にしても良し、青空をバックにしても良し。今回は分骨堂を背景にした。

若いときには桜は生まれ変わりの合図のように感じたものだが、この歳になると梅が春の予告、桜が冬の終わりを告げて、なんだかほっとするのだった。