「水仙」

2018年2月号掲載 水彩31×41

 

 瑞泉寺は二階堂の奥にある。水仙が冬の日差しを受けて咲いていた。山茶花は冬の花だが、椿も春の季語ながら冬に咲く花のイメージがある。しかし、水仙や梅はやがての春を感じさせる。花の向いている方向に振り向けば、そこには春が来ているのではないかと思わせる。

 コートの中を冷たい風が吹き抜けていった。風は、まだまだ春は遠いぞと言っているのだろう。それでもその勢いは弱く、ここのだれもかれもが春を待っていた。