「カンナ咲く頃」

2018年9月号掲載 水彩31×41

 

 鎌倉駅から今小路踏切まで、線路わきにカンナが群れ咲いていた。

 陽が傾いても涼しくなる気配はなく、熱を蓄えた空気が重くのしかかっている。こんな季節が、カンナは好きなのだ。暑いほど元気に、蒸すほど美しくなるようだ。その赤を、最高の彩度で咲いている。線路の先に駅が見える。朝からごった返していた。

 全てがけだるい夏の夕暮れ、カンナだけが輝いていた。