「谷戸の秋」
2021年10月号掲載
水彩画 46×61cm
鎌倉の津に広がる広町の森、ナショナルトラスト運動で開発をまぬかれた貴重な緑地だ。森には桐や山桜の大木もあって、さらに眺望のよい所もある。
谷戸には水田がある。今回はここを描こうと決めた。昔より田は狭くなった。その中を小さな、本当に小さな流れが一筋、田を潤してゆく。疲れた緑に覆われている谷戸を眺めながら、すぐに訪れるであろう秋の色が思い浮かんだ。田は黄に、桜は赤く色づくだろう。
心に浮かんだ色が画紙にあふれていった。