「冬の滑川」
2021年3月号掲載
水彩画 31×41cm
東勝寺橋から覗くと落ち椿が川床に散っていた。見上げれば椿が何本か認められた。まだ花盛りだ。
土手を下って川床に立つ。早熟の花はすでに実を結んだか、落ちてなお満足気である。
金色の陽光が、葉が少なくなった梢を透して川に降り注いでいる。そこに赤い椿が水に姿を映している。特別な場所と時間、今まさにその中にいると感じる。
あたたかい。椿や木々や光や水や風、みんなの温度がここを温めていた。