「鉄路残影」 水彩画 36×51cm
「鉄路残影」 2022年6月号掲載
深沢の車両基地と大船駅をつなぐ線路がここに敷かれていた。今残っているレールはここだけで、車両基地跡地も開発が進んでいる。
使われなくなってどれほど立ったのだろう。たくましい野草がのびのびと勢力争いをした結果、枕木も砂利もすっかり覆い隠された。線路が露出するわずかな部分は、その下が小川となっている。
子供のころ、よく線路を歩いた。電車が通った後は血に似た臭いがした。鉄のにおいも、ここでは薄れていくようだ。
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