鎌倉朝日連載「スケッチ日和」

  「バスを待つ」 水彩画 36×51cm

バスを待つ」  黒川 明

       2024年6月号掲載

  

名所というほどではないけれど、紫陽花が彩る街の片隅は少なくない。梶原のバス通りもそのひとつ。

雨季の山間の道は冷たく、暗い森を背景に紫陽花がひときわ明るく輝いている。以前から描きたかったが、なかなか機会に恵まれない。通りかかるときは急いでいたり、天気が良ければ他所へスケッチに行ったりしてしまう。写真に撮って描くことにした。何枚かの写真を組み合わせて、バスとそれを待つ人を、紫陽花の額縁の中に入れてみた。