鎌倉朝日連載「スケッチ日和」

  関谷夕景」 水彩 31×41㎝

関谷夕景」  黒川 明

       2025年11月号掲載

  

関谷は鎌倉の北部。見晴らしがよい高台には、鎌倉野菜の産地として農地が広がる。農地の先には谷があり、そのずっと先に富士がそびえる。

朝には曇って見えなかった富士が、午後になって裾野が見えてきた。夕方には頂上まで全身を見せてくれた。落日の光りが、たなびく雲を下から照らし、影をその上部に作っている。山を染め、足元の草の先端を浮かび上がらせた。

日没までの色彩の変化は絵を描くことも忘れさせるほどの幸せな時間をくれた。